2011年10月31日月曜日

駅の定義、そして弥彦線

少し前に知人と話をしたときにこんな話題が出ました。
知人曰く、
「昔、弥彦線が高架になる前は市内の踏切でよく渋滞ができたたじゃん。それについて調べろって言われて調べたんだけどさ。東京だと駅に電車が止まっている時には駅の近くの踏切が鳴らないけど、北三条駅に電車が止まっている時には近くの踏切は鳴っている。なんでそうなるのか聞いたら、駅ならできるけど、北三条は駅じゃないからダメなんだ、って言われたんだ。これはどういうことかわかる?」

「わかりません!」

ということで駅の定義について調べて見ました。
鉄道関係の技術基準に「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」というものがあります。これによると停車場というのは、「駅、信号場及び操車場をいう。」と定義付けられています。では、駅はどうかというと「旅客の乗降又は貨物の積卸しを行うために使用される場所をいう。」となっています。ん?じゃあ北三条駅は駅じゃないかということになりますが、実はもう一つ用語があります。

停車場と似ていますが、「停留所」というものがあります。停留所の定義は「停車場のうちで、場内信号機・出発信号機を設けていないものをいう。」というものです。北三条駅には場内信号機や出発信号機はありません。なので北三条駅は駅ではなく停留所であるということになります。じゃあ、北三条駅じゃなくて北三条停留所って名前にしろよ!って声が聞こえてきそうですが、
一応駅ですし、ややこしくなるのでそういうもんだと思ってください。

定義はここまでとして、先述の通り、北三条駅は「駅」ではなく、「停留所」であるため、場内信号や出発信号がありません。ということは、北三条駅に停車している列車は信号によって出発が制御されておらず、車掌の判断で出発することになります。駅周辺の踏切は「列車がいつ来るかわからない」状態となるため、警報を鳴らし、遮断器を降ろさなければ鳴らなくなります。
北三条駅。場内に信号はありません。

東三条駅のように出発信号がある駅では、出発信号が進行にならないと駅から動くことができないため、駅周辺の踏切は鳴らさなくても良いのです。駅構内の出発信号が変わったときに、駅周辺の踏切が鳴り始めます。
余談ですが、運転士が「出発進行!」というのは、「出発」信号が「進行」になっているからで、出発進行の他に「出発注意」や「出発警戒」などの喚呼があります。
こちらは新津駅。写真の奥に信号群があります。全て赤信号(停止)となっているのでここから先に列車が進むことができない状態になっています。

弥彦線の燕三条~東三条間が高架化されたのが今から15年前の平成8年。高架化の是非はひとまず置いて、弥彦線の踏切で待たされることがすっかりなくなった三条の街。その街の様子を高架の弥彦線の車窓から眺めるのもまた一興かと思います。